Tスクエアの欠けた1点に隠された「才能」

Tスクエアとは?

2017年現在、活動宮のTスクエアが形成されていることはご存知の方も多いかと思います。
Tスクエアとは、2つのスクエア(90度)と1つのオポジション(180度)によって形成される複合アスペクトです。

このTスクエアは、一般的には葛藤を表すとか、緊張を表すとか、自己矛盾を表すとか、主に「試練的な意味」「葛藤と自己成長をもたらす意味」で様々な読み方ができるアスペクトです。
この3点を反復横跳びならぬ三角横跳びのように「どれも鍛える」という配置なんですね。
このアスペクトを持っている人は「自分ツッコミ」が得意で、自分の中で常に「ツッコミ」が起きている状態です。90度というのはそのサインの欠点がお互いに目につきやすい関係なのです。そしてTスクエアの場合、何かやろうとすると、この3点がお互いにツッコミあって「イライラ」するんですね。ですがこれは自分自身の欠点を自分自身で「ツッコミ」することによって、その天体を能動的に鍛えていくことができる、という配置になります。個人天体と社会天体が含まれていれば、社会的に活躍するためにはかなり武器になるアスペクトです(Tスクエアを形成する天体の種類にもよります)。特に太陽が含まれている場合はその傾向が顕著です。

グランドクロス

ここで、ひとつご紹介したい複合アスペクトがあります。「グランドクロス」という「スクエアが4つ、オポジションが2つで形成される正方形の複合アスペクト」です。これは4点がお互いにツッコミ合うという、Tスクエアよりも「緊張」や「自己矛盾」を感じやすいアスペクトであり、四方の点で囲まれているために本人が「動きにくさ」を感じやすくなり、精神的にハードになりやすいという傾向があります。かなりエネルギーを自己完結的に使わなければならないんですね。その分テーマが明確で、克服していくとかなり大きな成長をもたらすアスペクトでもあります。4点のどれもが的確にお互いの欠点を指摘できるからなんですね。

Tスクエアは「ハングリー精神」を生む

Tスクエアはこの「グランドクロス」から「1点欠けた状態」と捉えると、その性質が非常に分かりやすくなります。「完璧に欠点を補う、お互いを的確にツッコミするためには1点が欠けている」「自分には何かが足りない」という「欠乏感」が強い「ハングリー精神」に繋がるんですね。その欠けた一点のサインを「足りない」と認識するために「積極的に実践して補おう」という意識になるんです。そして、4点から1点欠けている”3点”だからこそ本人が「八方ふさがり」を感じることなく「動きやすい」という特徴もあります。これは数秘の3と4の性質を対応させれば分かりやすくなります。3がTスクエア、4がグランドクロスということになります。
Tスクエアを持っている方はいつも「自分に足りないものを実践して補おう」と動いているので、アグレッシブで行動派の方がとても多いのです。ハングリー精神を原動力にしてエネルギーを自己成長のために使っているんですね。そしてこれが「才能」となって身に付いていくわけです。

この「グランドクロス」から1点欠けた状態が「Tスクエア」という捉え方をすることで、Tスクエアという複合アスペクトの「意識的な使い方」が見えてきます。

Tスクエアの「欠けている1点」

上の図のオレンジの点が「欠けている1点」です。
Tスクエアをネイタルチャートに持っている方は、是非「どのサインが欠けているのか」を確認してみてください。
そのサインはまさに「自分に足りないもの」として強く自覚されている部分だと思います。
そして、それはもしかするとすでに意識的に補って実践しているテーマかもしれません。

Tスクエアの3天体を使う時に「自分には何かが足りない」と「補うべき欠点が見えなくなった」時に、その「欠点の答え」を知っているのが「欠けた1点のサイン」なのです。

2016~2017年活動宮のTスクエア

2017年6月現在、木星の逆行により「活動宮のTスクエア」は崩れてはいるのですが、事実上はTスクエアのような「影響」がずっと続いていると捉えていいと思います。山羊座を運行中の冥王星も、牡羊座を運行中の天王星も、運行にかなりの年数をかける天体であり、木星も1つのサインの運行に約1年半をかけますから、このTスクエアは非常にヘビーにそのテーマを投げかけ続けているんです。
そして、そのTスクエアの欠けた1点である「蟹座」のテーマが「意識的に補うもの」として年単位でフォーカスされるんですね。
2017年、正確には2016年木星が天秤座入りした頃から、「蟹座的テーマ(子供、感情、家族、家庭、地域、小さなコミュニティの絆など)」が世間的にかなりフォーカスされていることは、映画やドラマや漫画などのエンターテイメントに見られる傾向でも確認することができますし、「心の健康」についてかなり多くの人の意識が注がれている印象です。「自分の家を快適な環境にすること」を意識的にしてきた人もいるのではないでしょうか。また、インナーチャイルドやアダルトチルドレンといった「家族との(主に母親)関係が心に及ぼす影響」ということの認識がかなり広がったという印象もあります。鑑定においても、実際そのような相談内容が明らかに増えました。そして私自身もホロスコープを研究する上で「月」にかなり注目しそのようなテーマに強く意識が向いています。世間全体が意識的に、そして積極的に蟹座を補おうとして「蟹座的テーマを実践している」んですね
つまりトランジットで牡羊座、天秤座、山羊座のTスクエアが形成される今、誰もが「蟹座」を意識的に補うことで「自分が活動しやすくなる」という配置であると言えるのです。そして誰もが「蟹座の能力を意識的に身につけていく」時でもあるんですね。

では、具体的にその欠けた一点のサインのどんな要素を補えばいいのか?どんなことを実践すればいいのか?そこにどんな才能が隠されているのか?を見たい場合は、どうすればいいのでしょうか。
その答えはTスクエアの頂点にある天体の度数が握っています。

「欠けている1点」の度数を読む


図の緑の点がTスクエアの頂点です。その頂点にある天体は、「自分の正反対の要素を完全に補ってくれるものが欲しい」んですね。
欠けた1点のサインの1~30度の中で、この頂点にある天体を「オポジションで完璧に補ってくれる度数」が「積極的に補い実践するテーマ」になるわけです。
完璧に補ってくれるのはもちろん「同じ度数」です。頂点にある天体の度数が牡羊座0.23度ならプラス1度でその対向サインの天秤座1度、16.34度ならプラス1度で対向サインの17度、というように、「完全にオポジションの関係になる度数」に注目します。
度数が分かったら、この「欠けた1点の度数のサビアン」を読むことで、かなり具体的に「意識的に補い実践するテーマ」を把握することができます。もちろん、そのドデカテモリーのサインを把握しておくことも「意識・実践」する上で大いに役立つでしょう。

この「欠けた1点のサインと度数、そのサビアン」を見ると、「その人が常に実践しようとしていることだ」ということが顕著に分かりますし、「その人がそれを実践することで能力が格段にアップする」「Tスクエアの3天体がフルに活用される」ポイントであることも良く分かります。

イチロー選手のTスクエアで見る「欠けている1点=才能」

例えばTスクエアを持つ有名人にアスリートのイチロー選手がいます。イチロー選手のTスクエアの頂点は水瓶座の木星、度数は4度です。まずここで「欠けている1点」がその対向サインの「獅子座」であることが分かりますが、彼の試合でのパフォーマンス、個性を魅力的にアピールし「演出」する能力が獅子座をそのまま示していますね。イチロー選手が打席に入った時に必ずする「あのポーズ」も、まさに獅子座のパフォーマンス性と「誰もがイチローだと認識する」個性を持っています。そして、イチロー選手が守備でアクロバットに打球をキャッチすると、観客は声を上げて喜びます。彼の送球に「レーザービーム」という個性をあらわすネーミングが付けられたことも非常に獅子座的エピソードです。イチロー選手が持つ唯一無二の個性、スター性はまさにこの「欠けている1点」である獅子座を意識的に強く補った結果手にした才能であるいえます。
そしてその度数を見ると獅子座4度であり「正装した男と角を刈られた鹿」というサビアン。ドデカテモリーは乙女座です。上昇志向や承認欲求の強さ、アピール力の強さ、自信や誇り高さ、自分自身でモチベーションを上げる方法を身につけることなどをテーマとする度数です。イチロー選手が野球選手としてのパフォーマンスを保つために「必ずやること」ルーティンを沢山もっていることは有名です。必ずやる「あのポーズ」もそうですね。そして決してワンマンになることなく自分の「整えられた、完成された」専門的能力でチームに必ず貢献するんですね。乙女座的です。この獅子座4度という度数を詳しく見ることで、この「欠けた1点」が「非常に意識的に実践して補われている」ためにまさにイチロー選手の能力そのものとなっていることが分かります。
イチロー選手のTスクエアは太陽天王星の合・火星・木星という「ライツ・個人天体・社会天体・外部天体」で形成されており、火星も含まれていますので、ここまで精力的に取り組まれ、顕著にその「欠けた1点の能力」を勝ち取ることができているんですね。Tスクエアに太陽が含まれていると、Tスクエアの欠けた1点も「人生の目的そのもの」の一部として働きますから、かなり重要になってきます。

「プレセッション式のアングル」も「小惑星キロン」もTスクエアの1点となる

このネイタルチャート上のTスクエアは、プレセッション式のアングル(ASC・IC・DC・MC)もその1点としてカウントします。例えばプレセッション式でASC双子座17度の人が、乙女座の15度に金星を、射手座の18度に火星を持っている場合、そこにはTスクエアが完成することになります。この場合欠けた1点は魚座の15度ということになります。そして、小惑星のキロンもTスクエアの1点として立派に作用します。

この「欠けた一点」はその人がTスクエアを使う上でかなり重要な役割を握っていますし、本人が「自分に足りない要素」だと大いに自覚するサインです。無意識に補おうと行動していることが多いのです。
Tスクエアに隠された才能とは「もともと持っている才能ではなく積極的に実践していくことで身に付いて行く才能」なのだということを忘れてはなりません。積極的に実践することを止めてしまうととたんにTスクエアが迷いはじめて「塞ぎ込んで」しまうんですね。
ネイタルチャートにTスクエアを持っている人は、欠けた1点のサインの度数とサビアンを理解し、意識的に補い、実践することで、Tスクエアの3天体が格段に使いやすく、鍛えやすくなるでしょう。そして「欠けた1点」は大きな「才能」として身に付いていくでしょう。